家族信託の契約書に盛り込むべき内容を解説

家族信託の契約書は、自分で作成ができます。その点から考えても、比較的自由度の高い相続対策と言えるのではないでしょうか。自由度と利便性の高いことが、利用者の増えてきた要因の一つにあげられます。
ただし、自由度が高いからと言って、なんでもありのわけではありません。
そこで今回は、家族信託の契約書に盛り込むべき内容を解説していきます。

家族信託の契約書は個人でも作成できる

家族信託の契約書は、個人で作成することが可能です。必ずしもプロに作成を依頼する必要はありません。
ただし、契約書として不備がないのが条件です。
また相続対策は、もめ事が起きる可能性が非常に高いことから、公正証書にしておくのが一般的です。
以上2点が可能ならば、個人で作成をしても問題はありません。

家族信託の契約書に必要な事項

それでは、家族信託の契約書に盛り込むべき事項を解説します。

家族信託の契約書に必ず記載する内容

次の内容が記載されていなければ、家族信託の契約書と第三者に提出しても、認められません。
・契約の趣旨:締結した契約は信託契約であることを証明します。
・信託の目的:信託により何を目指しているかを表記します。委託者の利益が害されるような目的は家族信託ではありません。
・委託者:財産の所有者、またその財産を預ける人です。
・受託者:委託者から財産を預かり、適正に管理する人です。
・受益者:信託財産の利益を受取る人です。開始当初は、受託者と同一になるケースがほとんどになります。
・信託財産の詳細:契約により受託者に預ける信託財産を指定します。委託者が持つすべての財産を預ける必要はありません。
これらの内容はすべて契約書に記載が必要です。
家族信託は家族間の契約ですが、委託された財産を管理するにあたり、第三者へ受託者の証明が必要になる場面もあります。
交渉相手は、業務を適格に遂行するプロです。不備のある契約書で納得するはずがありません。不備のある契約書が役に立たないことだけは、忘れずに作成をしてください。万が一裁判沙汰になっても、契約書に不備があれば太刀打ちできません。

家族信託の契約書に記載した方が良い内容

状況に応じ、家族信託の契約書に盛り込むべき内容は次のとおりです。
・受益者代理人:受益者の変わりに、受託者を監督する人の指定です。受益者の健康を心配し家族信託を契約します。健康を害す可能性が高くなったわけです。受益者が判断能力を失う状況になったら受託者代理人に任すなどの、職務内容を盛り込んでおきましょう。
・信託の変更:年月が経つと、信託内容を変更すべき状況が生じるかもしれません。基本的に、委託者と受託者の合意によって変更は可能ですが、認知症が発症していれば難しくなります。受益者代理人が指定されていれば、変わりに合意することで変更が可能です。
・信託の終了:信託の終了に関し明確にしておきます。通常「委託者兼受益者の死亡」「信託財産の消滅」が発生すれば信託は終了です。
状況の変化に対応できる契約にするため、双方の合意で終了させられる旨の内容も記載ができます。
・残余財産の帰属先:終了した場合、財産を誰が取得するかを記しておきます。
家族信託の契約書を作成するときは、家族での話し合いが必要です。記載した方が良い内容は、話し合いが必要な事項とも言えます。未来は誰にもわかりません。隙の無い契約書を作成しましょう。

家族信託の契約書作成はプロである弁護士へ

家族信託の契約書の作成は、プロでも悩むほど難易度の高いものと言われています。個人で作成するよりも、できれば弁護士に依頼をしておく方が無難です。
本当に今の状況は家族信託でいいのか、素人には判断が難しいと思いませんか?契約書の作成を始める前段階の、家族信託を選ぶべきかの相談を含め、弁護士に頼ることをおすすめします。